
左向きに女性が椅子に腰かけている。
着ているワンピースや付けている装飾品は点描風の淡いタッチで丁寧に表現されている。
そのことが女性の品の良さを浮き上がらせている。
肩から上の後方には湖があり、そこからさらに奥へと流れる川が描かれている。
女性の目線は鑑賞者の背後を見つめているようでもあり、何も見ていないようでもある。
画面右下に暗示的に置かれている鳥の羽は、現実からの逃避なのか、旅という概念そのものなのか。
何か夢のような幻想的な雰囲気を創り出し、そこに鑑賞者を誘い込むような誘惑を発している。
美術の窓 2003年6月号(No.237)より